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やっぱり残るは熱量
四年制大学 卒業見込み/文芸・思想専攻
エントリーシート
出版社のESはとにかく長すぎる。いつも泣きそうになりながら書いていた気がする。「本が好き、本を作りたい」という理由で、就活は出版業界を中心に行っていたので、他の業界のESを見たときは短くて驚いた。ちなみに夜更かしして書いたESは大体落ちる。そんな中で新潮社のESは質問は多いけれど、回答できる文字数が少ないので、面接官が質問したくなるような内容を上手くまとめる能力が必要だった印象。結局、最終面接までESの色々な部分を聞かれたので、しっかり答えられることを書いておいて良かったなと感じた。新潮社の好きな本を二冊選んで、その帯の文を考える最後の設問は出版社らしくて面白かった。
2022年3月26日(土) 筆記試験
自由な服装と書いてあったので、パーカーとジーンズという普段の格好で会場に向かったら、ほとんどの人がスーツでなぜだか裏切られた気分になった。なので私服の人を見つけて勝手に仲間意識を持ちながら、席についた。正直テストの対策は不可能だと思う。近年の賞をとった作家とタイトルをいくつか覚えていったけど、確か全く出なかった気がする。すごく難しいわけではないけれど、ある程度の学力と文学的知識と、予測と運で乗り越えるしかない。あとは数学の問題が少なくて本当に助かった。
2022年4月21日(木) 一次面接
初めて対面での面接を受けた。待機場所に置いてあった月刊誌の『波』で連載されている、阿川佐和子さんの「やっぱり残るは食欲」というエッセイが面白くてずっと読んでいた。一次面接は、入社十年未満の社員の方二名との面接だった。自己紹介と志望動機を1分くらいで話したあとに、面接官からの質問が始まる形。難しいことを聞かれるかもしれないと身構えていたが、ほとんど趣味のことや好きな作家のこと、なぜ編集をやりたいかなどについて聞かれた。面接官側が話しやすい雰囲気を作ってくれたので、自然体で楽しく話せた。この面接がきっかけで、肩の力を入れすぎても仕方がないから、無理せず自然体でいこうと思った。
2022年4月26日(火) 二次面接
二次面接は午後だったので、午前中はスーツで学校に行って授業を受けたが、スーツ姿が見慣れないと後輩たちに笑われた。二次面接は入社歴が長い方二名との面接だったが、こちらも話しやすい雰囲気を作ってくれたので、やりやすかった。質問内容は、最近読んだ本や漫画、好きな本への出会い方、入社してからやりたいことへの深掘り、組織ではどういう役割につくことが多いか、またその役割をする中で意識していること、週刊新潮に配属されたら何をしたいか等を聞かれた。一次面接よりもより細かく聞かれる部分もあったし、重複している部分もあった。ESに書いたことを深掘りされても、細かいところまで話せるようにしておくことが重要だと思った。かなり上手く話せたのでこの面接は手応えがあった。
2022年5月11日(水) 三次面接
ここで三次面接を前に、初めてOG訪問というものをしてみた。これが本当に良くて、しっかり準備をした状態で行うOG訪問は、外からでは分からない自分の気になっていることを知れるし、今後の面接の雰囲気も教えてくれる。このOG訪問を通して、より新潮社に入りたいと感じた。また面接前にテーマに沿った作文を原稿用紙二枚に書くのだが、これは友人に見てもらって、容赦無くダメ出しをしてもらった。誰かに見せることが大事。面接自体は前回までと比べて、空気は重め。でも圧迫という感じではない。質問は前回までと同様、ESや作文に沿ったもので、そこから質問が広がっていく形で進んでいく。正直手応えは全く無かったので、ここで落ちたかと思っていたが何故だか通っていた。後で聞いたら本に対する熱量を評価してくれたとのことだった。最後は熱量勝負かもしれない。
2022年5月16日(月) 最終面接
OGの方が言っていたが、ここまで来ると受かるかどうかは運の領域になってくるらしい。そう思うと気が楽になったので、とにかく今まで通りありのままの自分でやろうと思った。本社で行われた最終面接は役員の方9名との面接。9対1はとにかく威圧感がやばい。そして意外と距離が近いので端の席の人が視界に入らなかったりする。ここでも聞かれることはそれほど変わらないので、最後まで自分のやりたいことや、本に対する考え方をブレずに一貫して伝えるように意識した。面接が終わり、指定された時間に電話がかかってきたら内定とのことだったが、この待ち時間の怖さと、電話がかかってきたときの喜びは忘れられないと思う。新潮社に決めた理由は、4回の面接やOG訪問を通して会ったすべての人が、本当に文章や本が好きなことが伝わってきて、こういう人たちと働きたいと思ったから。自分は運転免許以外の資格も持っていないし、英語も全く話せないし、何かの大会で成績を残してきたわけでもないけれど、「本が好き、本を作りたい」という、人には負けない熱量で乗り越えてこられた。勿論それだけではないけれど、新潮社はそういう部分をしっかりと見てくれる会社だと思う。
- 就活中、何をしていても就活のことが頭をよぎったが、
本気でフットサルをしている時だけは就活のことを忘れられた。リフレッシュは大事。