くらげバンチ編集部 社員インタビュー
I・Tさん

2019年入社。
バンチ編集部を経て、2021年よりくらげバンチ編集部。

仕事の紹介


プリントアウトしたネームを、既刊とも照らし合わせてチェックします。

 入社以来6年間、「くらげバンチ」で編集をしています。
 自分は「見たことのない景色が見たい」と思って編集者をしているのですが、この仕事のやりがいは、まさにそれです。打ち合わせを終えて自分が「こんな感じのネーム(漫画の下書きのようなもの)が来るんだろうな〜」と想像していたものを、遥かに超える面白いストーリーやキレキレのセリフやモノローグが来た時!!  脳みそから幸福物質がドバドバと出てきます。早朝でも夜中でも、作家さんにすぐお電話して「面白かったです!!!!!」と伝えたくなります。
 他社だと、少女漫画の編集部に配属されたら少女漫画しか作れないことも多いと聞くので、色々やってみたい自分が何年も同じジャンルを作り続けることに耐えられるかが心配でした。その点、バンチ編集部はどの部署でも作る作品のジャンルに制限がありません。くらげバンチ編集部は「どんなネタでもジャンルでも面白ければ載せる」と作家さん達の間で言われていると聞きました。尖ったものを描きたい作家さんが挑戦的なテーマの原稿を持ち込んでくださり、受けて立つというのはやりがいを感じます。
 今の課題は作品の売り方です。現在は出版社以外も漫画業界に参入し、1日にリリースされる漫画の数が膨大になりました。その中で、限りがある予算の中から1話100円程度、1冊770円程度を出してもらうにはどうするか。現状ではSNSでバズることによる売り上げの伸びが大きいので、 SNS活用法講座なども受けて知識を得つつ、作品ごとにSNSアカウントを持ち、日々更新してアルゴリズムの変化を肌で感じながら試行錯誤しています。また、制作の段階でXで話題になるコマがあるかも念頭においてネームを確認しています。面白い作品を作るのは大前提なのですが、作ってリリースするだけでは売れない時代なので作品ごとの売り方を模索中です。

入社後一番の思い出

 自分を食べようとしたきつねに恋したうさぎの漫画『けがわとなかみ』( https://kuragebunch.com/episode/14079602755256254898)を、書店員さんたちが大展開してくださったことです。1巻の時に50店だった応援団書店さんの数が、2巻では237店に増加。正直、1巻の時に重版はしましたがあまり売れていなかったので、書店員さんたちの「売り上げだけで決めてねえ!  置きたいものは置くんだよ!」という熱いメッセージを受け取った気がしました。その熱量に応えたいと、メインキャラクターのうさぎのぬいぐるみ70体を手作り。小学校の家庭科以来のミシンで、ものすごく苦戦しつつ2ヶ月分の土日を使って作りました。結果、ぬいぐるみをお送りした70店がそのぬいぐるみの周りに森を作ってくださったり、きつねのぬいぐるみを自作して並べてくださったりと、思わず足を止めて見たくなるアイディアが詰まった展開を実施してくださいました。沢山の作品が発売されるなかで、この作品に自分の時間を使って大展開してくださった書店員さんたちには一生頭が上がりません。忘れられない、嬉しい思い出になりました。

ある日のスケジュール

6:30
起床。息子と夫が起きてくる8時まで至福の漫画タイム。
9:30
息子を保育園に預けつつ出社。
10:00
入稿作業。「くらげバンチ」は火曜日と金曜日に更新があり、かつ電子書店さんへ掲載している作品は
木曜日に更新があるので、毎日入稿と校了に追われている気がします。
12:00
北海道の作家さんと電話で打ち合わせ。
サスペンスなので話の整合性など考えることが多く、毎回酸欠に……。
14:00
担当している作品がドラマ化されるので、社内打ち合わせ。
電子営業、宣伝、ライツの担当者と話し合い、プロモーション施策などを決めます。
17:00
新宿の喫茶店で、もうすぐ連載が始まる新人作家さんと打ち合わせ。
「これって売れるのかな……」とナーバスになっていたので言葉を尽くして元気づけ。
20:15
息子を保育園に迎えに行って帰宅。(夜遅くまで預かってくれ、夜ご飯も食べさせてくれる保育園を探して
引っ越しました。思いっきり仕事ができているのは保育園の先生方のおかげです……)。
22:00
息子と一緒に寝落ち。

Off-Time

 休日は息子と犬と一緒に遊ぶことが多いです。徒歩圏内はもちろん、電車も使って色々な公園に行っています。最近は社内の先輩ママからプラレールを数箱分お下がりでいただき、大きなコースづくりが息子のブーム。片付けても片付けても出現します(泣)


息子と犬は一向に仲良くならず、母の膝はいつも取り合いです。

わたしの「人生の一冊」(新潮社刊)


『風が強く吹いている』(三浦しをん)

 『風が強く吹いている』です。毎年箱根駅伝の時期になると泣きながら読んでいます。長い道のりを走っているにもかかわらず、たった1秒を削り出そうとする気が遠くなるような主人公のモチベーションにヒリヒリします。人生のどのタイミングで読んでも、自分ももっと頑張りたい、努力したいと思わせてくれる本です。それを出版部の担当編集者に伝えたら、なんと三浦しをん先生がご来社された時に会わせてもらえました。緊張しすぎて何をお伝えしたか記憶がありません……。

就職活動中の皆さんへ

 自分は2社を経て新潮社に転職してきました。外から見たときに、バンチ編集部はチャレンジングな作品が多いことや対象読者を限定しない作品が作れることなどに魅力を感じ、2回受けて2回目でようやく入れてもらえました。入社後のギャップは特になく、色々とチャレンジさせてもらえる編集部なので、漫画編集者を目指している方にはオススメの職場です。
 入社2年目に、前職で携わっていたご縁もあってアイドルの方の写真集( https://www.shinchosha.co.jp/special/kakiharuka1st/)を企画したのですが、漫画の部署にいたにもかかわらず、垣根を超えて違う部署から出る写真集を担当させてもらえました。色々な部署のエキスパートの方々が惜しみなく手を差し伸べてくださり、温かい会社だなぁと感じました。自分は漫画制作が大好きですが、漫画の取材で得た情報で新書やノンフィクション本を作ってみたいですし、写真集も定期的に作りたいですし、死ぬまでに作ってみたいコンテンツがたくさんあります! 新潮社は、手を挙げれば部署にかかわらずやらせてもらえて、サポートを受けられる会社だと思っています。一つのジャンルだけではなく色々な作品を作りたい方や、人間関係の良い職場で働きたい方には合っている環境だと思います。

営業部

I・Kさん