K・Yさん
2009年入社。
ニコラ編集部を経て、2012年より出版企画部 企画編集部(現・企画第一編集部)。
K・Yさん
2009年入社。
ニコラ編集部を経て、2012年より出版企画部 企画編集部(現・企画第一編集部)。
自由闊達な雰囲気と、作り手の個性を大切にする社風に惹かれました。文芸のイメージが強い新潮社ですが、ノンフィクションや芸能関連本など、企画を受け入れる間口は広く、こんな本も出すのだな、という驚きは今でも感じることがあります。また、とにかく人に恵まれていると感じます。年齢や年次による上下関係に縛られず、安心して挑戦できる環境の中で働けることは、今も大きな魅力です。
現在の部署では書籍編集に携わっています。ビジュアルを活かした企画を得意としており、レシピ本や絵本、タレントのフォトエッセイや写真集など、幅広く手がけています。写真や絵の力を活かしつつ、言葉で広がりを加えることで、読者が楽しんだり、共感したりできる本、また暮らしに寄り添う本作りを目指しています。
元々は雑誌「ニコラ」の編集者として、ファッション撮影などの見せ方を重視した誌面づくりを、先輩編集者やカメラマン、スタイリスト、デザイナーといった方々から学びました。そこで培った経験が、現在の書籍編集においても力になっています。
大好きなEテレの番組を絵本化した『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』では、アニメとは異なる紙の本の良さをどう出していくかを模索しました。続編も制作中ですが、「何度も読み返せること」「親子でゆっくり考えたり話したりできること」といった、本ならではの価値を引き出せるよう意識しています。
ショート動画が隆盛する今の時代には、より直感的でわかりやすいものが求められていると感じます。文章のみの本には普遍的な魅力がありますが、まずは本を身近に感じてほしい。そのため「ビジュアルと読み物の融合」に力を入れ、本に親しみを持ってもらえるきっかけを作りたいと考えています。
年内刊行予定の新作絵本。全体のデザインを確認中。
初めて担当した写真集『ことばはいらない 〜Maru in Michigan〜』が重版になったときの喜びは忘れられません。連載担当編集と協力しての書店回り、全国の書店でのパネル展の企画・実施、WEB連載、読者イベントなど、社内外の多くの方の力を借りながら、当時考え得る様々な施策を行いました。本を作るだけでなく、いかに読者に届けるかということの大切さを学んだ一冊であり、今も編集を続ける原動力になっています。当時小さかった子どもを連れて著者の住むアメリカに行ったのもいい思い出です。
小さい頃から本好きのインドア派で、20代までは1ミリも興味がなかったのに、家族ができていつの間にかキャンプにはまりました。自分でテントも立てられるし、火起こしもするように。アウトドアならではの不便や工夫が楽しく、食事も美味しく、自然の中でリラックスできます。焚き火最高。
テントは夏は暑くて冬は寒いですが、楽しいです。
城山三郎さんの『そうか、もう君はいないのか』です。『官僚たちの夏』『粗にして野だが卑ではない』『静かに 健やかに 遠くまで』など著作を愛読していましたが、こんなにも愛妻家だったことに驚きました。最期まで互いを慈しみ助け合う夫婦の姿に憧れます。癌の告知後、明るく歌いながら帰宅する奥様のエピソードは、夫婦喧嘩の後など、折に触れて思い出します。こうした理想を提示してくれることも、本の大きな魅力だと感じています。
『そうか、もう君はいないのか』(城山三郎)
この仕事の魅力は、興味や「好き」の延長線上に仕事があることです。自分の「これを形にしたい」という思いが実際に書籍となり、読者に届き、プラスの影響を与えられたときの喜びは格別です。新潮社では、困ったときに必ず助けてくれる先輩や仲間がいるのも心強く、企画の叩きやメールの文面など、小さなことでも部署を超えて気軽に相談できる環境はありがたいです。
また、子育てと両立している女性も多いため、特に初めての出産時はとても心強かったです。今も同僚と子育ての悩みを共有したり、励まし合ったりしています。
ジャンルを問わず「好きでたまらないもの」を突き詰めている人は強いと感じます。「とにかくやってみよう」という好奇心とチャレンジ精神のある人と働きたいです。