ウェブフォーサイト編集部 社員インタビュー
N・Yさん
2012年入社。
営業部、週刊新潮編集部、2023年よりウェブフォーサイト編集部。
仕事の紹介
海外の著者とzoomで打ち合わせ。
「フォーサイト」という有料のWebマガジンで、国際政治、経済、カルチャーなどに関する記事の編集をしています。子供の頃は世界中を旅することが夢だったので、様々な国や地域の専門家(もちろん現地在住の方も)から、常に最新の海外事情を教えてもらえるのは役得だと思っています。
といっても明るい話だけではなく、2024年現在でも戦争やテロ、クーデター、貧困や人道危機が起きています。そういった紛争地域での、権力闘争や経済状況などを深掘りすることにやりがいを感じます。戦争は人間のあらゆる営みの中で最も愚かな行為ですが、開戦に至るメカニズムや意思決定の過程を直視することが、次の戦争を防ぐために大切だと考えるからです。
2014年にロシアがウクライナからクリミア半島を奪った時、多くの日本人にとってはまだ「遠い国の小さな紛争」でした。ところが2022年2月にロシアが本格侵攻に踏み切ると、エネルギー価格が高騰して先進国を含む世界中で物価高となり、いくつかの国では政情不安に繫がりました。災厄の火種を、「遠い国のことだから」「まだ小さいから」といった理由で見逃さないようにしたいです。
新潮社はとにかく自由な職場で、私の場合は前職が公務員(不自由の極み!)だったこともあり、入社当初はカルチャーショックの連続でした。あまりに風通しが良すぎて、しばしば不安になるくらいです。社内に壁らしき壁がない。天井もあるのかないのかわからない。建築物に例えるなら、ギリシャのパルテノン神殿のようなイメージでしょうか。土台がしっかりしていて、長い歴史があるところも似ている気がします。
入社後一番の思い出
週刊新潮編集部に在籍中の2020年、御巣鷹山に登ったことです。言わずと知れた1985年の日本航空123便墜落事故の現場です。一緒に登ったのは、事故当時、墜落の翌朝に生存者を救出した元自衛官と、「FOCUS」(かつて新潮社が刊行していた写真週刊誌)の取材で現場に一番乗りしたベテランカメラマン。近年、(実は昔から定期的に騒がれるのですが)主にネット上で「日航機は自衛隊によって撃墜された」などという陰謀論が広まっています。果たして真相は?
是非、この時の元自衛官の手記『「御巣鷹山」48時間の地獄絵図』を読んでみてください。
知りたいことがあれば現場へ足を運び、人に会って話を聴く。そうして自分なりの真実を見つけられるのは、この仕事の醍醐味です。
ある日のスケジュール
- 8:30
- 起床。朝食後、プチ筋トレ。
- 9:30
- 午前中はメールの返信をしたり、著者から届いた原稿を読んだり、別の著者に電話で原稿を依頼したりしつつ、
横目でバスケの試合(NBAデンバー・ナゲッツ戦)を観る。
- 12:30
- ナゲッツの勝利を見届け、読み終えた原稿をTeamsで校閲と編集長に回した後、自宅近くの図書館で新聞をチェック。
夜の会食が多いので、昼食は基本的にとらない。
- 13:30
- 出社。編集部で企画会議。
- 15:00
- 海外に住む著者とzoomで打ち合わせ。時差があるため先方は朝の9時。
- 16:00
- 校閲と編集長のチェックが終わり、原稿に赤字を入れて著者に戻す。
- 17:00
- 著者から最終確認済みの原稿を受け取り、すべての修正を反映させて記事を配信。
- 18:30
- 退社。スマホでプロ野球(千葉ロッテマリーンズ戦)を観ながら電車で郊外の自宅へ向かう。
- 19:00
- 旧知の新聞記者から「いま○○省の若手官僚と飲んでるけど、来ない?」とのLINE。電車を降りて都心へ引き返す。
- 20:00
- 新橋の居酒屋に到着。記者と官僚による与野党の政治家評(ほぼ悪口?)を肴に日本酒をちびちび。
- 23:00
- 帰宅。入浴後、見逃し配信で野球の続きを観る。
- 24:30
- マリーンズの劇的サヨナラ負けを見届け、グラス一杯のウイスキーとともに静かに怒りを飲み込み就寝。
Off-Time
暇なときは、子供たちが飼っている3匹のアカハライモリの生存確認を行います。それぞれクロ(黒い部分が多いから)、アカ(赤い部分が多いから)、チョア(ちょっとだけ赤い部分が多いから)という名前らしいのですが、私にはまったく見分けがつきません。最初は「気持ち悪いな」と思ったけど、よく見るとつぶらな瞳が可愛いです。
真ん中がアカ?
わたしの「人生の一冊」(新潮社刊)
『人間の土地』(サン=テグジュペリ著/堀口大學訳)
「人間であるということは、自分の石をそこに据えながら、世界の建設に加担していると感じることだ」(p63)。いまだに「自分の石」の置き場所を探しています。
就職活動中の皆さんへ
私も皆さんと同じく新卒採用枠で入社しましたが、実は転職組です。初めは学生時代に目指していた憧れの職業に就いたものの、そこで夢破れ、退職しました。
「人生ってうまくいかないな」「自分は世の中に必要とされていないのか」と悩んだ時期もあります。でも今は、かつて思い描いていた生き方とはだいぶ違うけど、この会社に入らなければ得られなかった出会いや経験が本当にたくさんあるので、まあこれでよかったのかなと思っています。
きっと皆さんも就職活動で、その後の社会人生活で、理不尽なことや不愉快なことに多々出くわすでしょう。ありきたりですが、そんな時は「人生山あり谷あり」「捨てる神あれば拾う神あり」という言葉を思い出して、前向きにがんばってほしいです。