デジタルコミック編集部 社員インタビュー
I・Cさん
2015年入社。
営業部、コミック@バンチ編集部、バンチ編集部を経て、2021年よりデジタルコミック編集部。
仕事の紹介
コミックスのデザインチェック。見え方や収まりを出力して確認。
入社から3年間は営業部にて、コミック販売に携わっていました。4年目からは月刊コミックバンチ編集部(現:コミックバンチKai)に配属となり、2021年には縦カラー漫画事業を始めるための室に異動、縦カラーと横読みモノクロ漫画を担当していました。その流れで現在のデジタル発信の漫画を扱う部署「デジタルコミック編集部」ができ、今もそこで漫画を作っています。
仕事をしていく上では「誠実であること」と「透明化」を大切にしています。私は特段優秀な社員ではありませんが、担当しているジャンル数は一番多いです。
『ガールクラッシュ』ではK-POPや10代の興味関心を、『婚活バトルフィールド37』では実際の婚活現場を、『勇者に敗北した魔王様は返り咲くために魔物ギルドを作ることにしました。』ではファンタジーの王道を、『復讐は蜜より甘い』では縦カラーのロマンスを、『蛍火艶夜』では戦時中の資料を、といったようにそれぞれの作品に合わせて情報収集や類書の研究もしますが、作家さんが0から作り出した熱量・知識・深さにはかなわないことが多いです。となると、私に出来ることは「この世で最も素直な一番最初の読者かつパートナーであること」です。面白いと思ったことはどこがどう面白いのか、このご提案はなぜするのか、というのを素直にお伝えします。感情面だけの問題ではなく、例えば、時に数字的にシビアな情報などもお耳に入れる必要がありますが、そのためには常日頃から数字を意識して自分の中でブレない蓄積と基準を作る必要がありますし、面白さや疑問、提案を言語化する能力ももちろん必要です。「誠実であること」を心がけると自ずと様々な面を磨く必要が出てきます。
作品に対して誠実であることは、著者に対しても読者に対しても誠実であり、とても重要な要素です。
オリジナル作品じゃなく『でっちあげ』や『#真相をお話しします』などのコミカライズ作品でも同様です。
これは誰でも簡単にできることで、同時にどんなジャンルにでも挑戦できる武器になります。
もう一つ、重要なのはひとつの作品が世に出るまでにはとてもたくさんの人がかかわっている、ということです。商業出版においては、世に出す=読者の手元に届くまでに無数の方々のご助力があります。そのことを意識して、著者にきちんとお伝えする=「透明化」もまたとても大事な仕事です。
えらそうに書きましたが、要するに「素直たれ!」と「仕事はチームプレーです」と「編集は接客業」ということです!
入社後一番の思い出
とあるアワードに作品が入選し、授賞式に招待されたこと。会社全体としても初挑戦のジャンルで、内容もとてもセンシティブなものでした。内容が内容だったので、著者も産み出すことに大変な葛藤を抱え、相当なエネルギーを消費しておいででしたが、私に出来ることは原稿を受け取ったのち、商品として世に出すにあたって充分な検品と適切な配本ができるよう各部署に働きかけることだけでした。作品が発表されてからは反響もよく、それだけでも喜ばしく思いましたが、読者の皆様から投票いただけるアワードで嬉しい結果となり、著者とチーム全体の働きが報われた気がしてとても嬉しかったです。ある日のスケジュール
- 9:30
- 起床。とりあえずメールやTeams、SNSチェック。
- 11:00
- 家を出る。通勤中は各書店のランキングをチェック。
- 12:30
- 出社。
- 13:00
- 先生と連載の打合せ。この日は調子が良かったので30分ほどで終わる。
- 13:30
- 事務作業。原稿料の手続きやメール返信作業。
- 14:00
- 原稿とネームチェック×2本。
- 15:00
- 来客。この日は電子書店の定例会にお邪魔させていただきました。
現在のヒットジャンルや市況など直接お伺いできてとても良かったです。
- 16:00
- 遅めのお昼?はやめの夕飯?
- 17:00
- 入稿×3本。
- 20:00
- 先生と新作の打合せ。
- 21:00
- 原作プロットを読む
- 22:00
- 退社。
Off-Time
出勤経路が長いので、道々に四季を感じるのが楽しみです。最近は彼岸花が驚くところに咲いていたりして、野生はすごいなぁと感心します。日本の四季最高! 他にもちょっとした看板の変化だったり、お店のキャンペーンだったり、意識してみると平凡な毎日でもちょっとどこかしら変化があって、諸行無常だなーと感じる今日この頃(多分使い方間違ってる)。
会社近くの坂で見つけました。街頭に照らされてゴージャスです。
わたしの「人生の一冊」(新潮社刊)
『ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン』 (プラトーン(プラトン)著 、田中美知太郎訳 、池田美恵訳)
「すなわち迎賓館での食事」 自分の信じる事=愛に殉じて最後まで正直に生きたソークラテースは私の人生の師です。あと、純粋に自分のやったことを裁判という場で高評価できる胆力すげえ。この作品の面白いところは、弟子かつシンパのプラトーンが書いているので、めちゃくちゃソークラテースがかっこよく見えるところです。あと、かっこよさの表現がちょっと厨二っぽい。古代の「推し活」ですかね。
就職活動中の皆さんへ
私は特段優秀な就活生でないどころか、1度失敗して就職留年をしました。新潮社も2回受けてます。就活は正解も分からないし、落ちると自分に落第の判子が押されたようでとてもつらかったです。社会人と話す機会もなかったので、面接なんてみんな優秀でこわーい先輩に見えてたまらなかったです。でも、考えてみてください。皆さんの目の前に座っている方々もみんなかつては緊張しながらそちらに座っていました。なんなら今も緊張しています。なので、面接とかは肩の力抜いて、なんなら「話きかせにきてやったぜ」くらいの気持ちできてください。
この業界は外から見るほどきらびやかでもなければ、熱血でもないし、文化事業でもありません。勤務は不規則になりがちだし、結果が振るわないことも多いし、やったことがすぐ報われることは稀だし、落ち込む日もあります。
「でも」「それでも」
と思ったなら。
私は「でもでもだって」の先輩として、皆さんのその「でも」を応援します。