人を

PEOPLE SHINCHOSHA

デイリー新潮編集部
S・Dさん

Profile

2002年入社。
週刊新潮編集部、新潮45編集部を経て2022年からデイリー新潮編集部

入社後一番の思い出

 厚生労働省麻薬取締部の部長を退官したばかりの瀬戸晴海さんに原稿を依頼し、「新潮45」での連載を経て、『マトリ ―厚労省麻薬取締官―』(新潮新書)を刊行できたことです。謎のベールに包まれた捜査機関のエピソードはとにかく刺激的で、しかも、著者の瀬戸さんは極めて魅力的な方でした。自ら惚れ込んだ著者を口説き、対話を重ね、様々なテーマを深く掘り下げながら、まだ誰も読んだことのない作品を生み出す。編集者として素晴らしい経験だったと感じています。

ある日のスケジュール

7:30
子どものために朝食を作りながら、早朝に配信されたデイリー新潮の記事をチェック。
9:30
出勤。通勤電車の中で前夜までに筆者からメールで届いた原稿(プロ野球関連)を確認。
10:00
出社。編集長と新規企画の打ち合わせ。前日に配信された記事(著名人のインタビュー)のPV数が想定よりも伸びなかったことについての相談も。「これは話題になるはず」と思っていた記事が不発に終わるとショックは大きい。
11:00
前夜に届いた原稿を校閲担当者に送信しつつ、誤表記や事実関係の間違いがないかを自分でもチェック。同時に、タイトルと中見出しを考え、掲載写真を発注してキャプションをつける。ネット記事はとりわけタイトルが数字を左右するので念入りに検討する。
12:30
校閲から指摘の入った原稿が届いたところで筆者と最終打ち合わせ。問題がなければ入稿担当者に最終原稿と写真、タイトル、キャプションを送る(連休前には一連の入稿作業を1日に4~5回繰り返すことも)。
13:30
同じ部署の記者から届いた原稿のチェック。タイトルを検討する。
14:00
知り合いの事情通から著名人が関わる事件についての情報提供。複数の関係者に連絡して裏取りを進める。編集長に相談すると「当事者が認めれば記事化してもよい」とのこと。取材を継続する。
14:30
カメラマンにインタビュー取材の撮影を依頼。カメラマンのスケジュール管理も担当している。
14:45
取材済みの案件について原稿を仕上げつつ、週末に配信予定の原稿の入稿準備を進める。途中、インタビュー取材を依頼していたライターから経過報告の連絡あり。
16:00
社内での会議。ネット媒体の運営には編集部以外の部署との連携が必須なので会議が少なくない。ネット媒体は、担当した記事の結果が数字としてハッキリ出るのでやりがいがある(反対に胃が痛くなる時もある)。
17:30
各社の新作ノンフィクションに目を通す(多忙でも月3~4冊がノルマ)。著者にインタビュー取材や、原稿の執筆を依頼して記事化することも多い。
18:30
退社
19:00
四谷の居酒屋(北陸の郷土料理)で、知り合いの芸能関係者と情報交換。日中は社内で原稿確認と入稿作業が続くため、外部の人と触れ合う機会は大事。スクープに繋がる情報や、新たな企画のヒントを探る。
21:30
帰宅。週末に控えた塾のテストに関して子どもと相談。
22:00
ネットフリックスで「日本統一」を観る。
24:00
就寝

Off-Time

 私にとって唯一の趣味は料理です。夫婦共働きで食べ盛りの子どもがいるため、朝食と夕食の多くは私が作っています。写真は仕事のない休日に手がけた“煮豚”です。かたまり肉に満遍なくフォークを突き刺し、鍋の上で転がしながら表面にこんがりとした焼き目をつけたら、あとは延々と煮込むだけ。普段の仕事では、原稿の中身はもちろんのこと、配信時間やタイトル、中見出し、写真の選定にまで気を遣いますが、料理中は“美味しくなれ”以外のことは考えないので頭のリフレッシュにも最適です。

就職活動中の皆さんへ

 私が「週刊新潮」の記者になって最初に驚いたのは、「大人たちが本気で仕事をしている」ことを目の当たりにした時でした。学生時代の私は、大人は感情を表に出さず、周囲と適度な距離感を保ちながら、スマートに仕事をするものだと思っていました(もしかすると、そういう職場もあるかもしれませんが)。その点、「週刊新潮」の先輩記者たちは、朝から晩まで汗まみれで事件現場を駆け巡ったり、誰もが知る有名人を説得して目玉が飛び出るような特ダネを聞き出したり、納得のいく原稿を書き上げるために毎度のように徹夜したりといった感じで。もちろん、「大の大人が……」という見方もできますが、その一方で共通しているのは、誰もが「本気」だということです。そして、新入社員であっても本気で意見すれば、先輩は真正面からきちんと受け止め、場合によっては強烈に後押ししてくれる――。これは新潮社全体の風土だと感じます。みなさんの「本気」に応える環境があるとお伝えしたいですね。


人を

ホームへ戻る