人を

PEOPLE SHINCHOSHA

週刊新潮編集部
A・Aさん

Profile

2021年入社。
週刊新潮編集部に配属。

入社後一番の思い出

 2021年8月、大阪で交際相手の当時3歳の息子に熱湯シャワーを浴びせかけ殺害するという虐待事件が起こりました。加害者がどのような生育歴を持ち、どのような状況下であれば虐待へと至るのか知るべく、私は同級生をはじめ関係者の取材を担当することになったのです。当初は、こんな非道な事件を起こしたのだから、どんな強烈なエピソードが飛び出してくるのだろうと戦々恐々としていましたが、蓋を開けてみれば出てくるのは「普通の子だった」「おとなしい子だった」という話ばかり。虐待事件に限らず報じられる事件の内容や加害者の様子はセンセーショナルなものですが、実際に自分の手で取材を進めていくと、やはり当事者と自分は地続きにあるのではないかと強く感じさせられることがあります。TVや新聞で報じられない物事 の裏側を生々しく感じさせられた経験でした。

ある日のスケジュール

12:00
出社。担当するネタの新情報が無いか、全国紙・スポーツ紙朝刊をチェック。
13:00
取材先の打ち合わせ。上司と相談し、関連の新聞・雑誌記事や前日の取材結果などを参考に話を聞けそうな関係者をピックアップ。
14:00
取材準備。近郊に関係者を発見したので取材に向けて準備。関連記事に目を通すなど下調べを行い、聞き洩らしが無いように質問事項をまとめます。
16:00
取材。関係者宅へ訪問。運よく在宅の時もあれば、不在や取材拒否もしばしば。
18:00
取材終了。近くの喫茶店で取材先とのやり取りを原稿(データ原稿)にまとめて上司に報告。まとめた内容がそのまま記事になる事も多いので、事実誤認には細心の注意を。
20:00
知り合いの記者と会食。雑談の中に思わぬネタが転がっていることも。
23:00
帰宅。『news zero』や『News23』などを見て、一日のニュースを総括。
1:00
就寝。

Off-Time

 地方へ取材に行くと県庁や県警本部に足を運ぶことも多いのですが、最近はそれが高じて旅行先での県庁巡りが趣味になりつつあります。写真は最近行った岐阜県庁です。住宅街の中に背の高い新庁舎、旧庁舎、県警本部が横並びになった光景にはなかなか圧倒されました。県庁のデザインは変に奇を衒わず、しかし細かなこだわりを感じる所が素敵です。

就職活動中の皆さんへ

 あまり褒められたことではないですが、大学時代は山岳部に所属して登山にのめり込み、就職活動を始めとした山以外のことは疎かになりがちでした。特に新潮社のエントリーシートは期限ギリギリで、登山中にテントの中で書き上げて下山と同時にポストへ投函したことを覚えています。
 就職活動中は希望の仕事に就けるだろうかと、不安でいっぱいになると思います。山に登りながらも、私もそう思っていました。しかし、「希望の会社に就職できなくても、最悪テントがあれば生きていけるんだから大丈夫だろう」といった具合で、そこで僕を支えたのも山でした。これは特殊事例ですが、「最悪これがあれば生きていける」というものを持っていると、肩の力が抜けて自分らしく就職活動に臨めるのではないでしょうか。そして、ここで一番に思い浮かぶものはその人にとって一番大事なものであって、自己分析をするうえで軸になるものなのだと思います。長く苦しい就職活動ですが、山と同じで登った先には新しい景色が開けているはずです。みなさん頑張ってください!


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