C・Mさん
2014年入社。
コミック@バンチ編集部を経て、2018年よりくらげバンチ編集部。
C・Mさん
2014年入社。
コミック@バンチ編集部を経て、2018年よりくらげバンチ編集部。
新卒から出版業界を志望していたものの思うような成果を残せず、大学卒業後は某雑誌出版社で編集補助をしていました。が、経営悪化で退職。なんとなく創刊したばかりの「月刊コミック@バンチ」編集部の編集補助の求人に応募し、想像以上に楽しい職場に長居してしまい現在に至ります。それまでマンガ編集者を志したことはなかったのですが、作家さんと共に物語を生み出していく今の仕事は何年経っても面白く、奥深いです。新潮社のある神楽坂は、昔ながらのこじんまりとした居心地の良い土地柄、社内もそんな空気が漂っています。
マンガ編集者になって良かったことの一つが、どんなことが身に降りかかっても何でもネタになることです。登山中に骨折したり、離島で知らないおじいさんの小舟に乗せてもらって漁をしたり、失恋したり…、生きていると色んなことがあります。つらかった出来事も漫画家さんに話すと、面白がってネタにしていただけるという経験は、私の人生を豊かにしてくれました。作家さんは、百人いれば百通りの個性があるので、巡り合った才能を遺憾なく発揮してもらうためには、自身のキャパシティも試されている気がします。そして変化が速く、多くのコンテンツに溢れた時代でも生き残っていける魅力的なマンガを作っていくためには、柔軟性をもって日々精進せねばなりません。編集部でも年長者となったこれからのテーマは、自分が現場に立つだけでなく、若手を中心とした編集部員たちがのびのびとマンガを作っていける快適な職場づくりです。そんなくらげバンチ編集部から世界中の人たちに楽しんでもらえる沢山のマンガを発信していくことが最大の目標です。
連載ネームの電話打合せ中!
初めての担当連載は、香川県を舞台にした『うどんの国の金色毛鞠』です。実は、作者の篠丸のどかさんは地元の同級生。恵まれた作品で、香川をはじめとした全国の書店員さんたちに応援していただいたほか、高松市の夏まつりのポスターやラッピング電車、マンホールの蓋のデザインに選ばれたり、アニメ化したり、連載終了後も長い年月にわたってさまざまな展開があり、多くの方々にお世話になりました。篠丸先生共々すべてが初めての経験、失敗は数えきれませんが、何もかも良い思い出です。
見る目を養うために展覧会などには積極的に足を運んでいます。最近、西洋絵画への気持ちが高まり過ぎて、パリで美術館めぐりをしました。数々の名画とパリの人たちの優しさに感動した一方、ベタですが日本の魅力も再認識。フランスで、マンガは「9番目の芸術」だそうですが、 あちこちで「MANGA」を見かけてちょっと誇らしい気持ちになりました。
旅先で仕事を思い出してしまった瞬間……
さくらももこさんが編集長を務めた雑誌「富士山」です。食い倒れ企画や海外レポ、父・ヒロシのインタビューなど、さくらさんの遊び心が詰まった企画が満載で夢中で読んでいました。ちょうど出版社で働きたいという想いが芽生えはじめた高校生の頃に刊行されていたので、たまに登場する新潮社社員たちの楽しそうな様子もひそかに憧れ。紆余曲折あって、こうやって新潮社で働いているので、人生何があるかわからないですね。
『富士山』(さくらももこ)
学生時代、出版社で働きたいという想いは持ちつつも今一つ自分の志望動機が定まりませんでした。それこそ私の就活時代にはバンチ編集部もありませんでした。自分の願い通りに人生は進んでいませんが、目の前の課題に一つずつ誠実に向き合っていけば、向き合った分だけ道は拓けていくのかな、と思います。落ち込むことも沢山あるでしょうが、失敗談は盛り上がります。生き方に正解はないので、あなたらしく活躍できる居場所が見つかることを願っています。お互い気長に頑張りましょう。